活性酸素とは
活性酸素は他の物質と反応しやすい物質。丹羽靱負(耕三)・土佐清水病院長:「激増 活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から引用
一般に"酸素"といえば動物や人間の組織や細胞が活動する上で必要なものですが、"活性酸素"というのは呼吸でとり入れるための酸素とは全く違ったものです。
化学構造上では、酸素と少し異なり、その役目は〝活性型の酸素〟で、どんな物質とでも非常に反応しやすい物質で、細菌やカビや異物と反応し結合して、これを破壊・殺菌してくれるのです。
活性酸素は酸素を放出、細菌を死滅させ、生体を傷つける
- 活性酸素の種類
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活性酸素はO-2
、H2O2、1O2、OH・の4種類で次の化学式のように
- まずO2より、O-2が作られます。
- 次にO2よりH2O2に変化。
- H2O2から1O2とOH・に変化。
- 反応性に富む理由は
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例えばO-2は、酸素O2にマイナスの電子を持っているため、自分が安定しようとして、プラスの電子を持ったものと反応しようとします。
また、H2O2は、H2Oが水で安定しているのに、Oが一個余分で、この余分な一個のOが不安定で安定した酸素O2なろうとしてOを持った物質と反応するため、反応性に富んでいるのです。
- 各種活性酸素の特徴
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- 1O2:最も反応性に富んだ活性酸素で、様々な障害を起こす元凶です。
- H2O2:これは日常使用されるオキシドールで、消毒に使って泡が出るのはH2O2余分なOを細菌に与え、細菌の持つOと結合して反応した際に発生するものです。その機序はH2O2よりOが遊離して水H2O2が生成され、次いで遊離したOは細菌のOと結合してその結果、Oと結合した細菌は死滅します。
- OH・:安定した水H2OになるためにHを相手から奪います。(Hをもつ物質と反応します。)
参考:オゾンO3は動植物の体内で作られないため活性酸素ではありませんが、H2O2と同様に、余分なOを細菌に与えます。Oを受け取った最近は死滅しオゾンO3は安定した酸素O2になります。このためオゾンには殺菌作用があるのです。