日本SOD研究会 | 活性酸素による様々な弊害や疾病と活性酸素を抑制する丹羽SOD様作用食品について

丹羽療法に使用される、天然素材チャーガ、タベブイア。アベラネダエ、アガリクス茸。

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チャーガ(カバノアナタケ)

小説「がん病棟」11.白樺のがんより

がん病棟・アレキサンドル・ソルジェニツィン著

土曜の晩、がん病棟の病室にもなんとなく目に見えぬ安堵が感じられるのは、どうしたことなのだろう。休日だからといって患者たちは病気から解放されるわけではなく、ましてや病気を案じる気持ちからは絶対に解放されないのだ。・・・中略 病室の中は異様に賑わっていた。この部屋の患者全員とシブガートフだけでなく、1階からの客までがその集まりに加わっていた。・・・中略

演説をしていたのはコストグロートだった。ベッドにではなく一段と高い窓の敷居に腰掛けているのだが、この集まりの重要性を象徴しているようだった。・・・中略

「私が言いたいのは、要するに、われわれは兎のように医者を信頼してはいけないということだ。たとえば私が今読んでいるこの本」・・・中略

腫瘍の進行の仕方と中枢神経の活動との関連性は、まだほとんど解明されていない。ところがこの両者には驚くべき関連性があるんだ!ここにはっきり書いてある」その行を探しあてた「稀ではあるが、自然治癒の症例も見られる!この意味が分かるか。治療じゃないんだよ、自然治癒だ!どうだい」病院ぜんたいが動揺した。・・・中略

「さっき白樺の茸のことで、面白い話をしかけておられた。あの話をつづけて下さいませんか!」「そうだ、オレーク、白樺の話だ!やってくれよ」とシブガートフもうながした。・・・中略

「諸君!」と異常に雄弁になってコストグロートフは言った。「これは実に驚くべき話なんだ。私がまだ入院の順番を待っていたとき、検査を受けに来た一人の外来患者から聞いた話だ。そのとき私はとるものもとりあえず葉書を出し、返信用にここの住所を書き添えておいた。そしたら今日返事が来た!十二日目に返事だ。マースレニコフ博士はそれでも返事が遅れて申し訳ないと書いている。なんでも一日平均十通の手紙に返事を出さなきゃならないんだそうでね。」まともな返事を書くには、どう少なく見積もったって、一通につき三十分はかかるだろう。とすると博士は毎日五時間は手紙を書いている事になる!それも全くの無報酬でだ!」・・・中略

「最初から順序だてて言うと、こうなんだシャラフ。マースレニコフ博士のことは、さっき言った外来患者が教えてくれた。つまり博士はモスクワ郊外のアレクサンドロフ郡の田舎医者で、もう何十年も同じ病院に勤めている。以前はそういうことが認められていたらしいね。で、博士は一つの事実に気がついた。医学論文にはがんの症例がますます多く扱われているのに、その病院に来る農民の患者にはがんがめったに見られない。これはどういうわけなのだろう!」・・・中略

「博士は調査を始めた。調査を始めた」コストグロートフは同じ言葉を繰返した。普段は決してそんな癖はないのだが、今は繰返すことが楽しそうだった。「そして、こういうことを発見した。すなわち、そのあたり一帯の農民たちは、お茶代を節約するために、お茶ではなくチャーガというものを煎じて飲んでいる。それは白樺の茸とも言われて・・・」・・・中略

「いや、ヤマイグチじゃないんだ、エフレム。正確に言うと、これは白樺の茸じゃなくて、白樺のがんなんだ。ほら、古い白樺の木によくあるだろう・・・妙な恰好の瘤のような、表面が黒くて、内側は暗褐色の・・・」・・・中略

白樺の木に寄生したチャーガ

「そう、たぶんそれだろう。マースレニコフ先生はふと気がついた。ロシアの農民は自分たちはそれと気づかずに、そのチャーガでもって何世紀ものあいだがんから救われていたのではなかろうか、とね」「つまり予防になっていたということだね」・・・中略

「しかし推測するだけでは足りない。もっと詳しく調べなければならない。その自家製の煎じ茶を飲んでいる者と飲んでいない者とを、何年も何十年ものあいだ観察する必要がある。さらに、腫瘍の患者にそれを飲ませてみなければならない。それに何度のお湯で煎じるのか、分量はどれくらい使うか、沸騰させるのかどうか、コップで何杯飲んだらいいのか、副作用はないか、どんな腫瘍に効き、どんな腫瘍にあまり効かないか、などと問題はたくさんある。それを博士は一々研究した・・・」・・・中略

「その結果か?それを博士は手紙に書いてくれたんだ。治療法を教えてくれた」・・・中略

「その方法は正式に認められているのかね。医学的に証明されているんだろうか」・・・中略

「さあ、医学的に証明されたかどうか。この手紙は」と緑色のインクでぎっしり書きこまれた小さな黄色っぽい便箋を#ひらひらさせた。「事務的な手紙 だからね。原料をどうやって粉にするか、どうやって水に溶かすか、そういうことしか書いてない。しかし、医学的に証明されたのだったら、われわれはきっと毎日、看護婦さんたちにこの煎じ茶を飲まされていると思うな。階段には樽でもおいてあったところだろう。それだったら、アレクサンドロフまで問い合わせる必要はなかったわけだ」・・・中略

「その茸がそんなに効くものなら、どうして医者方は治療に使わないんだろう。なぜ薬として採用しないんだろう」「採用されるまでが大変なのさ、アフマジャン。信じない人もいるだろうし、頭を切り替えるのが面倒なばっかりに反対する人もいるだろうし、自分の薬を広めたいばかりに反対する人もいるだろう。われわれ患者には選択の自由がないしね」・・・中略

「使用法を読み上げるから、みんな書き取ってくれないか」とコストグロートフは大声で言った。一同はざわめき、お互いに鉛筆や紙切れを融通し合った。・・・中略。

書き取りの能力に差があったので、文面は何度も繰り返し読み上げられ、こうして病院の中は暖かい、友情に満ちた雰囲気になった。今までにしばしば啀み合ったのは、お互いに分かち合うものが一つもなかったからではないだろうか。だが共通の敵は死なのだ。みんなが一様に死の恐怖にさらされている場合、人間と人間とを本質的に引き離せるものがどこにあるのだろうか。・・・中略

「この手紙に博士が書いているんだけれども、なんというか、販売人がいるそうなんだ。つまり、チャーガを採取して、乾かして、それを現金引換えで売っている、商売っ気のある連中がね。ただ価が高い・・・一キロ15ルーブリもするそうだ。まじめに治療する気なら、月に6キロは要る」・・・中略

「その販売人の住所は手紙に書いてありませんか」パーベルニコラービッチも住所を書きとろうという構えを見せた。だが、コストグロートフはなぜか答えなかった。・・・中略

コストグロートフは頭を振った。病室で販売人の住所をみんなに教えなかった事は、少しも悔やんでいなかった。まるで針金の引伸ばし機械のようにコストグロートフを7年間も引伸ばしてきたあの社会の常識によれば、そんな事を教えるのは馬鹿者だけである。みんなが争って販売人に注文したら、値段が釣り上げられるだけで、結局チャーガは手に入りにくくなるだろう。だが、いい人間に個人的には住所を教えてやりたかった。・・・中略。

「販売人の住所を書き取りなさい!」とコストグロートフは命令した。「あんたにだけ特別に教えよう!」哲学講師はうれしそうに大急ぎで万年筆を構えた。・・・以下省略

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