紫外線と活性酸素
オゾン層の破壊による、シミ・シワの増加や皮膚がんの危険性。丹羽靱負(耕三)・土佐清水病院長著「激増 活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から引用
※編者コメント:ここ数10年、文明生活は環境汚染を招くことで、我々自身の命を脅かしつつあります。
大気や水質の汚染は、一部に大気や水質が良くなったとの報道がありますが、それは、大気や水質の絶大な希釈力によって希釈されたのに過ぎません。汚染はどこかに集積され、一度汚れた大気や水質は、元に戻りません。
紫外線の殺菌作用が、シミ・シワ・皮膚がんを招く
- 日光消毒は紫外線の殺菌作用を利用
-
紫外線が物体(細菌やかび)に当たると、物体内に活性酸素を発生させます。この活性酸素が布団や衣類の中の細菌やかびを殺して消毒してくれます。
地球上の殺菌は、紫外線によって発生する活性酸素により保たれてます。
- 紫外線の過剰はシミ・ソバカスの原因!
- シミ、ソバカスの色素を形成するメラニン色素の作られ方は、体内の必須アミノ酸のチロシンが活性酸素によって酸化され、次々と酸化が進行し最後にインドールの重合体ができ、これがシミ・ソバカスのメラニン色素になります。
この反応はすべて酸化反応であるため当然、紫外線が当たる顔などにシミ・ソバカスがよく見られるわけです。
- 長期間の紫外線照射は、皮膚がんを招く!
- 紫外線は、基本的には、放射線同様殺人光線ですから、少し当たり過ぎると、シミ・ソバカス→白内障→皮膚がん→死の順に人体に障害をあたえるのです。
皮膚がんの最も多い職業は、一番日光に当たる農民です。発生部位はまず額で、次に項です。
年齢的には、SOD誘導能が落ちたお年寄りです。齢を取ると活性酸素を除去できなくなるからです。
オゾン層の破壊で、シミ・シワ・皮膚がんが増加する
- 波長の長い育成光線が生物に必要な光線
-
私たちが日常見ている可視光線は、波長の長いものから、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色の色を含んでいます。
赤色より、さらに長い波長のものが近赤外線で、次に遠赤外線で、この遠赤外線の中の、ある波長のものが育成光線といい、人間を含めた動・植物の成長に必要な光線で、細胞の活動性を高めたり、血液の流れを促進する力を持ちます。
- 波長が短い紫外線と放射線が殺人光線!
- 一方、この可視光線のうちの最も短い波長の紫よりさらに短い波長の光線が紫外線で、次に放射線となります。
波長が短いほど、動・植物の体内奥深くに達し、活性酸菜を発生させて動・植物全てを殺傷する殺人光線となるのです。
ところが、〝自然の摂理〟があり、殺人光線である放射線をほとんど全部太陽に向かって反射する電離層があり、下層に、殺菌上必要な紫外線のみを地上に透過させるオゾン層があります。
- 殺人光線・紫外線をコントロールするオゾン層が破壊の危機
- ところが、ここ数十年間で、クーラーのフロンガスの使用量の激増や、工場・家庭で使用する一般燃料で発生する炭酸ガスも増加し続け、結果として、フロンガスと炭酸ガスの激増はオゾン層を傷つけ、穴をあけ、殺菌に必要な紫外線より、大量の紫外線が地球に照射されるようになったのです。
その結果、紫外線による病気(シミ、ソバカス、皮膚がんなど)が、最近どんどん増加するに致ってしまったのです
オゾン層の破壊は、徐々に進行している
朝日新聞(96-12-13)から引用
オゾン層を破壊する物質「四塩化炭素」の濃度が浦和市などで上昇していることが、県環境部が12日までにまとめた「1995年度地球環境モニタリング調査」で分かった。
四塩化炭素は、ゴム工場などで使用されてきた。エアコンや冷蔵庫に使われた「フロン12」、電子部品の洗浄に使われた「フロン 113」などと同様に、オゾン層の破壊作用が強いとされる。
排出されると5、6年かかって成層圏に達し、30~50年にわたってオゾン層を壊し続けるという。
オゾン層の破壊に伴って、地上に届く有害な紫外線が増え、皮膚がんなどの影響が心配されている。国は昨年12月、製造や輸入を禁止している。(後略)
最近、蛙を見なくなったと思いませんか?
特にオゾン層の破壊は深刻です。殺菌上で必要な紫外線のみを地上に透過し、不要な紫外線を宇宙に反射するオゾン層は、我々地球上の動植物にとって不可欠の電磁波です。
このオゾン層が破壊の危機にあっています。私たちには、皮膚がんをもたらしますが、他の動物も生命の危機にさらされています。例えば、以下のようです。
朝日新聞(94-03-11)では、《蛙が絶滅の危機》と題して、以下の記事を掲載しています。
『蛙の皮膚には、紫外線の発生する活性酸素を消去する酵素(SODのこと)が、他の動物より少ない。
そのため、最近のアメリカの学者の調査で、オゾン層の破壊の進行とともに、蛙が強力な紫外線に照射され、大量の活性酸素を処理できず、絶滅の危機にある。』…そういえば、最近蛙を見る機会が少なくなったと思いませんか?