活性酸素と活性酸素による障害
活性酸素とは
- 活性酸素は反応しやすい物質
- 私たちが、普通に呼吸をしている酸素(O2)は、電子の数が一定で、他の物質と反応しにくい形をしています。ところが、活性酸素は、電子の数が不安定で、他の物質と反応しやすいのです(資料「2-2」)。
- 活性酸素の例
- 活性酸素にはさまざまな種類(O2-、H2O2、OH・、1O2)がありますが、私たちに最も知られているのが、過酸化水素、つまりオキシドールです(資料「3-1」)。
オキシドールを傷口に塗ると、一瞬のうちに泡を発生して(反応して)、ばい菌をやっつけてくれます。オキシドールとばい菌との間で電子のやりとりが行なわれ、その結果ばい菌が死滅します。
老化やその他の原因(「活性酸素の発生と増加要因」に詳述)により、体内に発生した活性酸素は、私たちの臓器や組織と反応して、それらに障害を与えます。
活性酸素による障害
- 過剰な活性酸素は【ジキルとハイド】
- 体内で発生した活性酸素は適量なら、体外から進入してきた細菌やウィルスを殺してくれますが、発生量が過剰なら活性酸素は、異物(細菌やウィルスなど)を攻撃するとともに、正常な血管内壁や内臓を攻撃します。そのため活性酸素は【ジキルとハイド(丹羽靱負(耕三)博士)】と言われることがあります(資料「1-1」)。
体内で作られた活性酸素が、極少量でも、長期間に体内で蓄積され、細胞核のDNA(遺伝子)を傷つけます。その結果、正常な細胞が再生できず、私たちには発がん、次の世代では奇形につながります(資料「1-1」)。
- 活性酸素は、有害な過酸化脂質をつくる
- 血液中の活性酸素と脂質が反応して、過酸化脂質となります。過酸化脂質は血管壁に付着し、血管を細く、また脆くします(資料「1-1」)。
その結果、動脈硬化の進行や血管の狭小化で、脳血栓や心筋梗塞が起こりやすくなります。また、脳出血の一因ともなります(資料「1-1」)。