胃潰瘍薬で副作用? 厚生省情報・12人が死亡
厚生省中央薬事審議会副作用調査会:朝日新聞(96-03-28)から引用
- 胃潰瘍の治療薬で、副作用の血液障害が発生
-
胃潰瘍の治療薬、ヒスタミンH2受容体拮抗剤(H2ブロッカー)の投与を受けた患者に、1994年9月以降、副作用の疑いが否定できない血液障害が136件あり、12人が発亡していたことが27日、厚生省の副作用情報で分かり、同省は医療機関に対しで定期的に血液検査をするなどの使用上の注意を求めた。
副作用情報によると、H2ブロッカーはシメチジン、塩酸ラニチジンなど5成分ある。
- 胃がん患者が投与後、血小板減少・肺炎・腎不全を併発し死亡
-
昨年7月に胃がんで入院した73歳の男性がシメチジンなどの投与を受けた後、血小板が急激に減少するなどし、肺炎、腎不全を併発して死亡した。この男性は、がんが悪化しており、同薬が直接影響したかどうかは判断が難しいという。
同薬の適応患者数は200万人を超え、81年以降、胃酸分泌を抑制する作用をもつとして胃潰瘍患者の多くに使われており、副作用が起きる確率はかなり低いとみられる。
- 胃潰瘍や肝障害の患者に、副作用が発生
-
今回の副作用症例は、胃潰瘍や肝障害がすでに悪化している患者を中心に起きる症状で、原疾患の影響が大きい血液障害か、薬によるものかの区別がつきにくいという。
- 薬の長期服用では、全身倦怠、脱力、発熱などの症状があれば、早期の受診を!
-
このため同省は、全身倦怠、脱力、発熱などの症状がみられた場合には、すぐに血液検査をして異常があったら投与を中止するよう、医療機関に注意を促した。