糖尿病性白内障も過酸化脂質が関係
水野有武・東京慈恵会医科大学助教授:SOD資料から引用
高血糖による体全体の過酸化とともに、糖尿病性白内障は進行する
老人性白内障と並んで多い症状に糖尿病性白内障がありますが、ここでも過酸化脂質は密接な関係を持つといわれています。
糖尿病は、膵臓から出るホルモンであるインシュリンが不足するため、血液中のブドウ糖が異常に増えてしまう病気ですが、目に対しては主として二つの影響をもたらします。
- 糖尿病が目に与える影響(その1)
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血液中の糖分が増えると、水晶体内の浸透圧(膜を境とした、二種類の溶液の間に生じる圧力の差)が上昇して、水分を呼び込むため、白内障となること(糖尿病性白内障)。
- 糖尿病が目に与える影響(その2)
- 血液中にブドウ糖が増えると、体を正常時より過酸化状態に傾ける結果になるため、水晶体もまたその影響を受け、濁りやすくなることです。
- 目の過酸化防止に、ビタミンB2・C・E
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このような場合、ビタミンEをはじめB2やCは、体全体の過酸化傾向を抑止する効果を持ちますから、白内障の防止に役立つものと考えられます。
動物実験では、ビタミンB2・C・Eなどが、白内障による濁りを防止または抑制する効果が確認されています。
それが、人間の場合にどのように結びつくかはこれからの研究課題ですが、ただ一ついえることは、水晶体の中からこれらのどれ一つでも減少すると、濁りが 発生しやすくなることです。
したがって、日々のバランスのよい食事を心がけることが白内障の予防にもつながるのです。