医師が、血圧降下剤を投与する際、「患者が一生飲み続ける」だけに、慎重な経過観察の上で、投薬の種類や投薬量を決定しているはずです。あなたの投薬は、以下のような慎重な経過観察が行われた上での投与だったでしょうか?
命に関わる薬の選択だけに、可能な限り慎重な診断であって欲しいものです。最低血圧がそう高くないのに、すぐ投薬することは問題となることが判ります。
最低血圧 | 検査および投薬の判断時期 |
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120mmHg以上 | 即日、通常の検査を行い、検査結果を診て、投薬開始について判断する |
110~120mmHg | 通常の検査は即日行い、2週間以内にさらに2回測定した後に判断する |
100~110mmHg | 2週間以内に再検査を行い、4~6週間経過後、観察(検査)後に判断する |
100mmHg未満 | 4週間以内に再検査をし、6週間から3カ月観察した後に判断する |
この際、最高血圧(収縮期血圧)は参考所見とし、最高血圧がおよそ200mmHg以上を最低血圧の110~120mmHgと、180mmHg以上を100~110mmHgと同様に考えます。
ただし、通常の検査で心臓、腎臓、眼底などに中等度以上の障害が認められたときは直ちに投薬治療を開始します。
初診時にすぐ投薬を開始することの弊害
WHOでは、最低血圧(拡張期血圧)を高血圧の指標として、最低血圧90~105mmHgの患者を対象とし、右図のような様々なプロセスを経て、投薬の決定がなされます。
WHOの高血圧の検査の目的は、患者を正確に分類し、何回も検査を行い、不必要な治療(投薬)をなくすことです。
治療目標は、最低血圧を90mmHg未満に下げることです。