血圧降下剤は副作用が心配② 高齢者ほど、副作用に要注意!
長年服用し続ける血圧降下剤には、本当に副作用はないのでしょうか?例え、高血圧による急性の脳出血などが予防されたとしても他の余病は併発しないのでしょうか。
副作用による余病で亡くなってしまえば意味がありません。
高齢者の血圧降下剤による副作用は、前項で述べた肝臓障害以外に、腎機能の低下による薬の体内での滞留(血液中の薬の濃度が高くなる)が問題となります。
六十歳を越せば、「降圧剤のおかげで助かる人はない」というのが統計的な事実
三石巌・慶応大学大学元教授:産経新聞(94-10-07)から引用
医者先生だって、副作用を承知のうえで薬をだす。友人か、あるの離島の診療所をうけもたされた。
カレが栄養療法をとりいれたせいで、薬の売り上げが前任者の十分の一におちこんだ。すると、県からおしかりをうけちゃった。これは、医療費の膨張に頭をなやましている国の話だよ。こんな話をいやかる手合いがいるらしいから、ほこ先をかえるとしよう。
血圧が高いといえばハンコで押したように降圧剤がだされる。そして続けなけりゃだめだとくる。
何十年も血圧の薬をのんでいる人は珍しくない。
六十歳をこしたら、降圧剤のおかげでたすかる人はないっていう統計的事実があるんだがね。
さっきと別の友人の医者先生は、絶対に薬をのまん、といっている。
※右掲載記事のタイトルは、本稿の目的に添うように、編者が一部書き加えました。
「サイエンスQ-薬の適量がわからない」薬の副作用はなぜ生じるのか
NHK第1放送(88-06-22)から引用
- 副作用② 血圧の下げ過ぎが問題
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放送内容の要点から
- 薬は同時に毒物であり、有効性と副作用(薬害)は裏腹であり、隣り合わせです。役割を終えた薬は、速やかに体外に排泄される必要があります。
- 血液中の薬は腎臓で不必要物として濾過された後、尿に混じり排泄されますが、加令による血管の老化と腎機能低下で、一般では副作用がでない量の薬でさえ副作用を発生します。
- 一般成人に比し、老人(50歳以降で徐々にその傾向)では、尿からの薬の排泄がスムーズに行われず、体内の滞溜時間が長くなり、服用の度に血液中の薬の濃度が上昇、危険値(副作用)になります。
- 年をとると体の各所に故障が出てくる。一人の患者が眼科、整形、内科、婦人科等、各“科”に行き別々の薬を貰うケースもふえます。これが薬の過剰投与につながります。時には、別の“科”で貰う薬の成分が同一の場合も多いから、危険は一層です。
- 老人の場合の薬の適量は、一般成人より個人差があまりも大きく、簡単に判断できる問題ではありません。加えて、複数以上の薬の影響を考慮するのは、膨大なデータ量を持ってしても、決定的な判断基準にはなり得ません。現代社会の中では、薬は大切な役割を担っているが、その害のあり様にも認識する必要があります。
- 薬が体内で、危険値(副作用域)になるわけ
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一般成人では、薬の定期的な通常量の服用( ●)と、尿からの薬の排泄( ▲)が交互に行われ、薬の血中濃度は有効域で推移し、副作用域に達しません。そのため、薬は有効性を発揮するとともに、副作用は認められません。
しかし、老人では定期的な通常量の服用( ●)対して、血管の老化や腎機能の低下のため、尿からの薬の排泄( ▲)が追いつかず、薬は体内に蓄積し、血中濃度は有効域を越え、副作用域に達します。このため、老人ほど薬の副作用を生じ易い傾向になります。
- 尿の排泄速度試験
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試薬(水酸化ナトリウム)を混ぜた尿の試験薬を服用させ、試薬の薬の排泄スピードを調べる。
試験結果;試験管下部の色が、濃い(赤い)色は試薬が排泄された状態を示し、薄い(黄色)色ほど排泄が終了していない状態を示します。
症例 |
年齢 |
経過時間 |
結果 |
イ |
39歳 |
15~60分 |
薬は十分排泄されている |
ロ |
39歳 |
120分 |
色が透明に近く、薬の排泄はこの前にされている |
ハ |
57歳 |
15~120分 |
薬の排泄は120分でも終了していない |
ニ |
75歳 |
15~120分 |
薬の排泄は120分でも終了していない |
ホ |
90歳 |
15~120分 |
薬の排泄は120分でも終了していない |
※更に、ハ→ニ→ホと年齢が高いほど、色が薄いのは薬の体内残溜量が多いことを物語っています。このことから、高齢になるほど、薬は排泄されず、体内に蓄積されやすくなることが判ります。
※編者コメント:SOD様作用食品は、血圧降下剤のような医薬品が体内に吸収されて発生する活性酸素の除去にも有効と思われます。