日本SOD研究会 | 活性酸素による様々な弊害や疾病と活性酸素を抑制する丹羽SOD様作用食品について

最近、健康の鍵を握る物質として“活性酸素”と“SOD”の役割がクローズアップされてきました。そして、“活性酸素”が体内で増加すると、がんや成人病を始め、種々の弊害や疾病を引き起こすことがここ数年の間で明らかになってきました。当サイトでは、活性酸素の作用、障害、除去について丹羽靭負(耕三)博士の著書を中心に、出版物、学会誌、各種新聞などの公的な資料をもとにまとめて公開しております。

脳代謝剤4種「効果なし」で「承認取り消し」

脳血管疾患や認知症の治療薬が無効。巨額の薬剤費が無駄に 朝日新聞から引用

脳梗塞や脳出皿などの病気の後遺症の治療薬で、医療現場では老人性認知症に広く使われている5種類の脳代謝改善剤について、製薬会社が厚生省の指示で効き目を調べ直す臨床試験を行ったところ、4種類の薬が「効果が認められない」との結果になったことが17日、関係者の話で明らかになった。
また、残りの1種類についても、「データに疑義あり」として継続審議となりました。
各製薬企業は、週明けにも臨床試験のデータを厚生省に提出し、薬事法に基づく再評価の申請をする。同省はこれを受け、薬の取り消しを含めた対応策の検討を始める。
4種類の薬は1990年代の後半から販売され、これまでの売上総額は約8000億円になる。

脳代謝剤4種「効果なし」

朝日新聞(98-04-18)から引用

臨床試験をして有効なはずの薬が、無効とは!
再評価の対象となったのは、以下の5種類(成分名で5種類、商品名で6種類)の薬。
  成分名 商品名 製薬会社
1 イデベノン アバン 武田薬品
2 塩酸インデロキサジン エレン 山之内製薬
3 プロベントフィリン ヘキストール ヘキスト・マリオン・ルセル
4 塩酸ビフェメラン アルナート 藤沢薬品
セレポート エーザイ
5 ニセルゴリン サアミオン 田辺製薬
厚生省は96年4月、5種類の脳代謝改善剤を製造・販売する各社に対し、有効成分が入っていないプラセボ(偽薬)と比較する臨床試験をして、効き目を検証するよう指示。
各社はそれぞれ数百人の患者を対象に臨床試験を実施した。関係者によると、その結果、ニセルゴリンを有効成分とする「サアミオン」以外の薬は、プラセボと比較して効き目に差が出なかったという。
次々と類似薬が承認され、効果が疑問な薬への対策が遅れた
脳代謝剤は、田辺製薬が最初に開発した。78年1月に厚生省の承認を受け、子供の精神発達遅滞に伴う意欲低下などの治療薬として、「ホパンテン酸カルシウム」(製品名「ホパテ」)を売り出した。
83年2月、脳血管障害の後遺症の改善薬としての効能が追加されたことをきっかけに、認知症患者への使用量が激増した。
その後、ホパテと同等の有用性があるとして承認を受ける類似薬が次々と登場した。
今回、再評価の対象となった5種類の脳代謝改善剤も、ホパテを比較対照薬に使った承認前の臨床試験で、同等の効果があるとして承認された。
承認済みの薬で、副作用死。後手に回る対策
しかし、98年にホパテの副作用で11人の患著が死亡していたことが判明。厚生省は、ホパテの脳血管障害後遺症の改善薬としての効能を取り消した。
財政の悪化で、やっと臨床試験のやり直しを実施
87年には、薬の評価基準として、プラセボとの比較試験を求める指針ができたにもかかわらず、厚生省は5種類の脳代謝改善薬について再評価を求めなかった。
しかし、医療保険財政の悪化などを背景に、大蔵省が再評価を強く要求。厚生省は96年、ようやくプラセボを使った臨床試験を指示した。
再評価のためのデータ収集が始まるまでに時間がかかり、結果的に巨額の医療費が無駄になった。

※脳代謝改善剤:脳の代謝を活発にする薬理作用を持つとされ、脳梗塞や脳出血に伴う意欲低下、情緒障害を適応症とする。市場規模は年間約 1300億円とされる。今回、再評価の対象になった5種類の薬は1986~88年に承認を受けた。認知症に対する有効な治療薬がないことから、開業医も含め医療現場で広く使われてきた。しかし、老年精神科の専門医の間には有効性を疑問視する声がある。

脳代謝改善剤4種が「取り消し」、残り1種も「データに疑義あり」

厚生省中央薬事審議会:朝日新聞(98-05-15)から引用

※編者コメント:本記事は、朝日新聞(98-04-18)の記事に引き続くもので、記述の5種類の薬のうち、4種類が取り消し必要、残りの1種類はデータに疑義があり審査継続といった内容です。

効果が疑問視された薬が、やっと市場から消える
脳循環・代謝改善剤の再評価のための審査を続けてきた中央薬事審議会(厚相の諮問機関)の調査会は、審査対象となった5成分のうちの4成分について「有効性が認められず、承認取り消しが必要」との結論をまとめた。
臨床試験で「効果あり」とされた残りの一成分については、試験データに疑義があるとして継続審査になった。15日夕、上部審査機関の特別部会に報告し、特別部会も了承する見通しだ。
これにより、効果に疑問がささやかれながら、効能外の老人性痴呆症に広く使用され、総額計8000億円の売り上げを記録した薬が市場から消えることが確実になった。(中略)
治療薬もプラセボも有効率は、ほぼ同様の30%台
(4種類の薬は)いずれも(薬理作用のない乳糖などで本物の薬そっくりに作った偽薬(プラセボ)と効果を比較する臨床試験の結果、実際の薬もプラセボも有効率は30%台にとどまり、効果の差がでなかったという。(後略)

脳代謝改善剤「効果なし」に製薬会社は「謝罪なし」

厚生省中央薬事審議会:朝日新聞(98-05-16)から引用

※編者コメント:本記事は、朝日新聞(98-04-18)および同(98-05-15)の記事に引き続くものです。

患者にわたった薬は、回収困難
「効き目がないのではないか」と、長い間疑問を持たれてきた脳循環・代謝改善剤が、ようやく医療現場から姿を消すことになった。
年間売上総額が約700億円(1997年度見込み)に達する大型商品のほとんどが、臨床試験で有効性を証明できないという前代未聞の事態が始まりだった。
中央薬事審議会は、3週間という短期間で承認取り消しの結論を出した。医寮機関への情報提供、製品の回収準備に入った各社は「遺憾」、「厳粛に受け止める」などのコメントを発表したが、効果のない薬を売り続けた責任について語る言葉はほとんどなかった。(後略)

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