活性酸素とがん⑤ 抗がん剤の副作用
「がん細胞がなくなっても死んでしまうのは副作用のせいなんです」
がん細胞はウィルスと違って外から体内に侵入したものではなく、正常細胞がなんらかの原因で変異した細胞である。二つの細胞には共通するところが多く、がん細胞を叩けば正常細胞まで叩くことになってしまう。
その結果、とくに飲み薬になると全身の正常細胞をやっつけることになってしまう。正常細胞を弱めない薬なら副作用もない代わりにがん細胞をやっつける能力も低く、がん細胞を強力にやっつける薬なら正常細胞まで弱め激しい副作用が生まれる(つまり、がん細胞は縮小したが、患者は副作用で亡くなる)。抗がん剤は生まれながらにして矛盾を抱えているのだ。
(米本和広・ルポライター著「延命効果のない抗がん剤がなぜ承認されるのか(別冊宝島248)」)
抗がん剤の副作用については、かなり以前から、論議されてきましたが、抗がん剤を使用する医師の側からの問題提起はなされていませんでした。
しかし、最近になり、抗がん剤の副作用は活性酸素によるもので、抗がん剤は延命よりむしろ寿命を縮めていることが多い、との報道がなされるようになってきました。
抗がん剤の副作用は、抗がん剤の有効性とともに、今、問題提起が始まったばかりです。私たちは、現在健康でも、将来はがんに罹患することがあるかもしれません。
なにしろ、まもなく、死因の1/2ががんによる時代がくるそうですから。
活性酸素より〝恐ろしい〟抗がん剤
三石巌・慶応大学元教授:産経新聞(94-10-07)から引用
- 医者も副作用を承知のうえで薬をだす
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(前略)だれだって薬の副作用を気にしている。それは、がんをはじめとする成人病のもとになる活性酸素だった。
医者先生だって、副作用を承知のうえで薬をだす。友人がある離島の診療所をうけもたされた。
彼が栄養療法をとりいれたせいで、薬の売り上げが前任者の10分の1におちこんだ。すると、県からおしかりをうけちゃつた。(中略)
- 副作用のいちばんすごいのは抗がん剤
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薬の副作用は、解毒からくる活性酸素だけじゃすまないってことがのみこめたかな。
活性酸素のほうは打つ手があるから簡単だが、もう一つのやつが嫌だよ。
じつは、副作用のいちばんすごいのは抗がん剤だ。それと免疫抑制剤だ。
この二つは、抜群の発がん物質として有名なシロモノなんだ。(後略)
抗がん剤は、がん細胞より正常細胞を先に殺す
抗がん剤は放射線瞭法と同様に、がんを殺して新しいがんを作る 丹羽靱負(耕三)・土佐清水病院長著「激増 活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から引用
- がん患者の直接死因の多くは抗がん剤である
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抗がん剤も人体に入り、活性酸素を体内に大量に産生します。特に抗がん剤のうちのプレオマイシンにアントラサイクリン系のもの(アドリアマイシン、ダウノマイシン)などは、がん細胞の核のDNAでOH・を作り、これを破壊してがん細胞を殺します。
しかし、抗がん剤は放射線と同じ作用を示し、正常な細胞も殺してしまいます。使用量に限界があり、がん患者の直接死因の多くは、がんそのものよりも、抗がん剤であることは当然のことです。
- 抗がん剤で正常細胞ががん細胞より先に死滅
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抗がん剤はなるべくがん細胞だけに向かう工夫がされていますが、それでも抗がん剤のかなりの量が正常な細胞に到達し、がん細胞と正常細胞の生命力の差から、正常な細胞の方が先に殺されてしまうのです。
死なない程度に、抗がん剤の注射(や放射線)の影響を受けて生き残った正常細胞は、放射線、パラコート、殺虫剤の場合と同じで、奇形や新しいがんを作ります。
まさに死ぬも地獄、生きるも地獄なのです。
抗がん剤の副作用についての出版物など
- 「抗がん剤の副作用がわかる本(三省堂)」近藤誠・慶応大学医学部講師著
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この本の帯の掲載文を記します。抗がん剤の副作用については、近藤講師のような考え方もあることが理解できます。
- 患者の知らない危険がいっぱい
驚くべき実態が放置されてきたのは私たち患者が事実を知らないからです。本当のことを知り命を縮めない選択をしょう。
- あなたのがんはどちら?
抗がん剤で治るがんは、がん全体のたった1割。残り9割の患者は有害な副作用で苦しみ、命を締めています。
- あなたの飲み薬は何?
効果が証明されていない経口の抗がん剤が日本では大量に使われ、何十万人もの患者が長期間飲まされて、じわじわ命を縮めています。
- 実験台にされていませんか?
大学病院やがんセンターでは、治験が毎日のように行われ、患者は治療と思い込み、副作用死したり命を縮めています。
この著書から印象的な言葉を一つあげれば:ある患者さんに抗がん剤の服用の是非を効かれた医師は、「自分だったら、飲まない」と答えた(同書p32)、という言葉です。
医師が飲まない薬を、なぜ投与するのでしょうか。
近藤誠・慶応大学講師は、がん治療の実状と難しさ、抗がん剤の副作用などについて問題を提起した、表記の著書に加えて、下記の書を出版(いずれも三省堂刊)しています。
①がんの再発・転移、②がん治療「常識」のウソ、③乳がん治療・あなたの選択さらに、同講師は、「患者の権利法を守る連絡会」などの市民フォーラムにも、出席(朝日新聞(95-04-07))して、抗がん剤の副作用を説いています。
- 「抗がん剤は効かない(宝島社)」多くの医師・患者へのインタビューで構成
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副題は「警告!抗がん剤であなたの家族や友人は亡くなったのかもしれない」とあり、、抗がん剤をめぐる大錯覚として、以下の五点を上げています。
- 9割のがんに抗がん剤は効かない
- 医者が使う生存率というトリック
- 臨床試験はロシアン・ルーレットの世界
- 医者は抗がん剤の毒性のチェックをしていない
- 抗がん剤治療を受けなければもっと長生きする
本書は「医者も薬剤師も看護婦も製薬会社のMRもがん患者も抗がん剤の効果を疑っているのに、なぜ抗がん剤は開発・使用され認可されるのか?」とし、医師・厚生省・製薬会社の癒着構造に疑問を投げかけています。がんによる死の時代を迎え、是非一読をお薦めします。
抗がん剤による治療を後悔
抗がん剤の使用で、何も言えず、何も出来ず、無念の死 荒川悦子・60歳:朝日新聞(97-11-10)から引用
※編者コメント:患者は、無知故に医師を全面的に信頼し、治療を受けるわけですが、以下の記事から、「患者は無知ではいけない。患者も勉強が必要だ」ということが知らされます。
- 抗がん剤の投与後、様態が急変して死亡
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昨年12月、肺がんで66歳の夫を亡くしました。9月にレントゲンで10円玉ぐらいの影が見つかり、大学病院に紹介されました。
検査の結果、肺腺がんの末期で手術不能とのこと。主治医から抗がん剤で治療すると説明され、長男と私で同意してしまいました。
5日間、薬(抗がん剤)を注入し、数日後に40度の熱が出て、大腸、肝臓、骨髄と次々に機能が侵されていきました。ついに呼吸困難、意識障害を起こし、死亡しました。
- 処置をせず、結局は薬の実験台になったのか
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主治医が「荒川さんは元気だから、薬を多めに使っています」と言ったこと、呼吸困難で苦しんでいるから何とかして下さいと頼んでも、検査の結果を見てからと採血しかせず、薬は最新のものだと言っていたことなど、いろいろ考えると、体力があったために薬の実験台にされ、抗がん剤で殺されてしまったとしか考えられません。
- 抗がん剤や病院の選択の失敗による夫の死。胸がはりさけるおもいです
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その後、夫の肺がんには抗がん剤は効果がないと知りました。本人に相談しないで決めてしまった申し訳なさや、よく調べてから病院を選べばよかったという後悔で、いたたまれない思いです。
抗がん剤を使わず在宅ケアをしていけば、趣味の竹工芸の作品を仕上げたり、長年の夢だった野の花の写真集を作ったりできたし、自分が死んだ後の始末も言っていけたと思います。
何一つやれず、何も言えずに死ななければならなかった先の無念さを思うと、胸がはりさけそうです。