過激なスポーツの選手は、活性酸素の害で、様々な障害や短命に
春山茂雄・田園都市厚生病院長:「脳内革命」(サンマーク出版刊)から引用
「運動量が多いと、短命になる」とは?
- 運動は活性酸素の害を受け不健康になる
- 運動選手は見るからに頑強そうで、人一倍健康そうに見えます。また鍛えられた筋肉は美しくさえあります。
彼らの肉体はハードなトレーニングによってつくられています。
しかし、そのトレーニングによって確実に活性酸素の害をこうむっていることを指摘する人はめったにいません。
スポーツ医学をやった人にはわかりますが、彼らは見かけは強そうでも、けっして肉体的に健康とはいえないのです。
むしろ不健康だといったほうがよいかもしれません。
- スポーツ選手は、故障が多く寿命も短い
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その証拠に一般の人はけっこうハードな仕事をやりながらも、ちゃんと定年の60歳まで勤めあげますが、スポーツを職業とする人で60歳まで現役などという人は見あたりません。
プロ野球も30歳を過ぎればベテラン、40代の現役はまれな存在です。マラソンなどは20代が盛りで、これも40代は無理です。
相撲も20代中心です。それだけではありません。スポーツ選手は一般人にくらべると、肉体の故障が多く平均寿命も短いのです。(中略)
マラソン選手を継続すると、普通の幸福は難しい
- 素人のマラソンは百害あって一利なし!
- 最近は素人マラソンがはやりで、一般の人もよく走っていますが、好きで体の犠牲も厭わないというのならけっこうですが、もし健康のために、というのなら「おやめなさい」と忠告します。素人のマラソンは百害あって一利なしです。
- 女性は生理不調・無排卵、男子は無精子
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女性のマラソン選手などは、それで青春を燃焼し、一つの人生をかたちづくる意味では、それなりの選択肢ではありますが、ふつうの意味での女の幸福はむずかしいはずです。
なぜならほとんどの選手が生理不調になるからです。生理があっても無排卵が多い。精子、卵子は活性酸素の害を受けやすい。
過激なスポーツをやる選手は、子供が生めない。生んでも奇形が多いといったマイナスをこうむる確率が高いのです。
男子の場合でも無精子というのが多く見られます。
長寿には体育系が不利で、文科系が長生きする
- 体育系の早死は、活性酸素の被害のため
- 運動のし過ぎがよくないことは、右図からも明らかです。これは運動と寿命の関係を表わしたものですが、長寿という点では明らかに体育系が不利になっていることがわかります。
体を鍛えて筋肉もしつかりついているのに、体育系が早死にするのは、それだけ活性酸素の被害が大きいということです。文科系と理科系では文科系のほうがやや長生きしていますが、これは理科系が論理計算などで左脳を使うことが多いためと思われます。
脳内モルヒネは右脳優位で出てくるものですから、右脳を使うことが多い文科系がいちばん長生きしている。
長生きするには筋肉をつくらなければだめですが、使い過ぎるのもまただめだということです。
※編者コメント(棒グラフ上の折れ線グラフは編者が加筆しました):62歳を境として、A側で体育系の比率が高く、B側では文科系の比率が高い。
つまり、平均的に見て、体育系は早死にが多く、文科系は歳を取って死ぬことが多い。なお、理科系は、A・B両側で、体育系と文科系の中間である。
激しい運動は、25歳までにしておく
- 激しい運動は毒性の活性酸素が出るので、中和させる必要があります
- お腹がせり出してきたらどうすればよいか。筋肉が減ったのですから、ふたたび筋肉をつければよいのです。ただ、ここで一つ問題なのは、筋肉をつけようとするとエネルギーが発生することです。そのとき毒性の活性酸素が出てくるので、これをしっかり中和させる必要があります。
- 若い時は体内のSODが活性酸素を処理してくれるが、以降はSODが不足する
- 25歳くらいまでの若い間は活性酸素の毒を中和するSODが十分つくられるので、きちんと中和することができます。
しかし、このころ、つまり脳の発育が止まるころになるとどういうわけか、SODの蓄積がガクンと止まってしまうのです。
だから体を鍛えて筋肉をつけるのなら、まだ脳が発育中の若いときがよい。
若ければ激しい運動をして多少の活性酸素が出ても平気だからです。この時期に筋肉をつけておき、あとはそれを衰えさせないようにすることです。
「運動で、脂肪は減らない」の理由
- 筋肉の動かし方には二とおり。「筋肉をつける運動」と「脂肪を燃やす運動」
- やせる願望は、男女を問わずに強いようです。肥満が成人病のもとであることを考えれば、よい傾向ですが、大きな誤解があるようです。
これは「運動で脂肪を減らせる」を信じていることです。
パワートレーニングでは脂肪はほとんど燃えません。脂肪が燃えるのは、ゆるやかな運動をしたときだということです。
つまり筋肉の動かし方には二とおりあるのです。一つは筋肉をつける運動、もう一つは脂肪を燃やす運動、これはまったく種類が違うのです。
筋肉をつける運動がパワートレーニングです。重いバーベルを上げたりするのがそれです。
これに対しジョギング、ウォーキングのように、運動としては軽いが長い時間をかける運動が脂肪を燃やす運動です。
- 激しい運動では、酸素が動員されて、脂肪が燃えようがない
- なぜ激しい運動では脂肪が燃えないのか。脂肪が燃えるためには酸素がたっぶり必要なのですが、激しい運動では、運動のために酸素が動員されてしまっているので、脂肪が燃えようがないのです。
- 激しい運動は活性酸素を引き出すだけ!
- したがって 100百メートルの全力疾走では脂肪はいっさい燃えません。だから肥満防止が目的ならば、つらい運動などはあまりやり過ぎないことです。
そんなことをしても効果がないばかりか、活性酸素の害を引き出すだけです。
※編者コメント:やせる目的の運動ではな く、筋力を付けるための運動をする必要なときもあります。筋力を付ける運動で活性酸素が発生するのならば、その活性酸素の弊害を除去するために、運動の前後に、SOD様作用食品を摂取することも考えてみてはいかがでしょうか。
脂肪を燃やす運動として最適は、ウォーキング
- 脂肪を燃やすのには、多くの酸素が必要
- いい呼吸をしながら、楽な運動を長時間やると、酸素がたっぶり供給され、脂肪はどんどん燃えてくれます。
脂肪を燃やす運動として最適なのはウォーキングです。私の病院ではマンツーマンで小1時間やってもらいます。これでずいぶん効果を上げています。
ゆるやかな運動は脳内モルヒネも分泌させます。これが運動そのものを心地よいものにしてくれる。
食事をしてから少し休憩して、それからウォーキングをすると、多少の食べ過ぎであっても、脂肪はどんどん燃えてくれます。
- 歩行は1日トータルで1万3千歩が目安
- なおウォーキングの量は1日トータルで1万3千歩が目安です。日常的にも歩きますから、ウォーキングでは8千歩から1万歩でよい場合もあります。
これは個々のライフスタイルから計算してみてください。
- 誰か仲間と行うことが、長続きのコツ!
- 問題はゆるやかな運動が、現実的にはなかなかこまめにできないことです。よいとわかつていても、なかなかできない。
私の病院では患者さんに怠けずに続けてもらうために、相手をする人間をつけているのです