チャーガは、北海道やシベリアなどの寒帯の白樺に寄生するキノコ。抗酸化作用は、アガリクスの24倍も示すことが確認された(ルミノール法・試験管レベルの実験)。
抗がん作用も、マウスの白血病細胞を培養し、1マイクロリットル当たり0.5ナノグラムのチャーガで実験を行った結果、非常に低い濃度でも、抗がん作用があることも確認された。
北海道立食品加工研究センターは27日、札幌市内で開いた同センター研究発表会で、カバノアナタケに、エイズウイルスの増殖を抑える力があると発表した。水溶性リグニンが、エイズウイルスが増殖するときに使う酵素の働きを抑える。試験では無処理に比べて二割程度のウイルス増殖だった。カバノアナタケは、北海道など北日本からシベリア地方にかけ、シラカバの木に寄生するきのこ。シベリア地方ではがんに良いとして飲まれている。
同研究センター畜産食品科の渡邊治研究員らは、十種類のきのこ煮汁をもとに試験。この結果、カバノアナタケに、ウイルスが増殖する時に使う酵素を抑える力があるのを見つけた。物質が水溶性リグニンの一種であることを公式に発表した。渡邊研究員は「エイズウイルスを抑える物質としては、合成品などがあるが、食品成分の水溶性リグニンにもその力があることが分かった」とする。ただ、このリグニンは分子量が大きく、細胞に入り込めないため、細分化した場合にどの程度の効力があるかを含め、通産省の生命工学工業技術研究所で試験を続ける。
1993年の日本エイズ学会で、カバノアナタケにエイズウイルスを抑える力があることを発表した大竹徹大阪府立公衆衛生研究所主任研究員は「アナタケの力は分かっていたが、水溶性リグニンが力を持っていることを公式に発表したのは、初めてではないか」としている。
『名寄』市内会社との共同研究で、カバノアナタケの成分に「インフルエンザウイルス、エイズウイルスの増殖抑制効果がある」との試験結果が、第 51回北海道公衆衛生学会(11月11日、12日、北見市)で発表される。健康食品の開発などを手掛けるサラダメロンで、佐久間和夫社長(49)は「科学的な裏付けがされ、うれしく思っている」と喜んでいる。カバノアナタケは、シラカバなどの幹につくキノコの一種。道内では北部の山地にみられ、生長すると石炭のような黒い塊になる。古くから『がんに効果がある』と煎じて飲まれている。農場も経営する佐久間さんが、カバノアナタケを研究したきっかけは父をがんでなくしたこと。17年前から「家族の健康のため、栽培できないか」と独学で始め、成分の働きを科学的に調べ続けている。
また、菌糸をおがくずや液体を使って培養する人工栽培技術も確立し、このほどパウダー状にした商品も開発した。同学会で発表される研究は「インフルエンザウイルスとエイズウイルスに対するカバノアナタケ抽出物の効果について」。・・・佐久間さん側の働きかけにより、親交のある元道立衛生研究所主任研究員の野呂新一さんらと行った。カバノアナタケから熱水抽出した成分について、イヌ肝細胞、ヒトリンパ球細胞を使った試験で、インフルエンザ、エイズともにウイルスによる細胞変性を抑える効果が見られたという。学会では野呂さんがこの効果を発表する。佐久間さんは、厚生省などの紹介で各研究機関での試験を進めているが、これまでにもカバノアナタケの成分には発がんなどの作用を抑える『抗変異性』や肝機能の向上など幅広いものが確認済みという。
学会での発表で新たなお墨付きを得ることになる。佐久間さんは商品化に関する特許を出願しており、5月には17年間の研究活動などを本にまとめて出版したばかりだ。佐久間さんは「難病を止める効果に科学的な裏付けがされ、うれしく思っている。世界中で愛用されるのが夢」と話している。