高血圧による臓器障害
高血圧が問題視されるのは、高血圧の状態が長く続くと、動脈硬化が促進し結果的に脳・心臓・腎臓に臓器障害を招くことです。高血圧の問題点はもう一つあります。
それは、『長く飲み続ける血圧降下剤の副作用』です。高血圧による健康障害は、大別して以下の3項目と推定されます。
- 動脈硬化を高度に促進
- 脳・心臓・腎臓に合併症
- 血圧降下剤による副作用
- 高血圧は動脈硬化を高度に促進
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高血圧は、高齢になると最も普通にみられるもので、血圧は年齢とともに上昇します。高血圧の問題の一つは、脳・心疾患の原因となる動脈硬化を促進することです。
最高血圧が 140mmHg以上あるいは最低血圧が90mmHg以上では、正常血圧の人に比べ、4~5倍の速度で動脈硬化は進行する(中村治男・防衛医科大教授)といわれています。
- 高血圧・動脈硬化による合併症
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以下、高血圧が進行した場合の臓器障害について、WHOの病気分類から引用してみましょう。
- 心臓:左室肥大、左心不全。しばしば狭心症や心筋梗塞などを認めます
- 眼底:網膜動脈狭窄、網膜の出血と滲出、乳頭浮腫などを認めます
- 脳 :大脳・小脳・脳幹出血、高血圧性脳症など。しばしば頭蓋内動脈血栓を認めます
- 腎臓:蛋白尿ないし血漿クレアチニンの軽度上昇。しばしば腎不全を認めます
- 血管:しばしば解離性大動脈瘤や動脈閉塞性疾患を認めます
動脈硬化の代表的な疾患である脳・心疾患については、「各論:動脈硬化」に詳述しています。
- 血圧降下剤による副作用
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血圧降下剤による副作用は、その存在が論議されながらも、表面には現れてきません。
その理由は、「高血圧による脳出血などのリスク」と「血圧降下剤による副作用のリスク」を秤に掛けて、将来のダメージ(副作用)を先送りにして、現在のダメージ(脳出血など)を防ぐため、と思われます。